1.「将来のためだから」と自分に言い聞かせていた
「将来のためだから」
結婚して投資を始めた29歳。この言葉を何度も自分に言い聞かせながら生活していました。
出かける時は水筒とお弁当持参。旅行は近場の安いところへ。お祝いやプレゼントは相手を喜ばせるというよりも義務的で痛い出費と考えていました。とにかく生活費を削って投資へ。お金を使うたびに、「このお金を投資に回せば、将来もっと増えるのにな」としか思えず、お金を使うことに対してかなり慎重になっていました。
当時の私は、「資産が増えれば安心できる」「お金があれば将来の不安はなくなる」と本気で信じていたんです。
それから夫婦で仕事を頑張り、家計を整え、投資を続けた結果、我が家の資産は約7000万円になりました。
もちろん、お金が増えたことで得られた安心は計り知れません。冠婚葬祭などの急な出費にも慌てなくなりましたし、教育費や老後に対する漠然とした不安も以前より小さくなりました。
でも、資産が増えた今だからこそ思うことがあります。それは、「将来のために、今を我慢しすぎなくてもよかった。」ということです。
2.お金を増やしたかった理由
振り返ると、私はお金そのものが欲しかったわけではありませんでした。欲しかったのは、お金があることで得られる安心と自由です。
今の仕事を一生続けなくてもいい、本当にやりたいことを仕事にできるかもしれない、働かなくてもいいかもしれない、という自由。
子どもに習い事や進学先などより多くの選択肢を与えてあげられるかも知れない安心。
老後、お金があればそれなりの暮らしができるし、動けなくなった時、お金のことで家族に迷惑をかけないだろうという安心。
つまり、お金は人生の選択肢を増やし、豊かにするための手段だったはずです。でも気づけば、「資産を数億円にしたい」という気持ちが芽生え、お金を増やすこと自体が目的になっていました。
「今使う1万円」より、「将来増える1万円」の方が価値がある。そんな考え方を続けるうちに、今しかできない経験を後回しにしていたのです。
3.子どもが教えてくれた「今」の価値
そんな私の価値観を変えてくれたのは、子どもたちでした。
現在、我が家には6歳と2歳の子どもがいます。毎日一緒にいるはずなのに、子供の成長は驚くほど早いですよね。
少し前まで抱っこマンだった6歳の上の子は、気づけば自分で歩き、今では1人で学校に行き1人で帰ってくる。できることがどんどん増えていきますし、だんだん親に口答えもできるようになってきました。
この間生まれたばかりだと思っていた2歳の下の子は、私が大きな虫にビビっていると「まもってあげりゅね」と一言。
そんなあっという間の子供たちの成長を目の当たりにし、「この時間はもう二度と経験することはできない」と感じるようになりました。老後に資産が数億円あっても、2歳と6歳の今の子どもたちと遊びに行くことはできません。
「まま、いっしょにあそぼ〜」と言ってくれる今は、今しかない。投資を続けた先の未来ばかり見ていた私にとって、子供たちは「今」にもっと目を向け、楽しむべきだと教えてくれました。
それから我が家は、週末のお出かけや旅行など、家族との思い出に多くの予算を確保し、以前と比べて躊躇なくお金を使うようになりました。
子供だけでなく、我が家を見守ってくれる両親や、友人との付き合い、彼らへのプレゼントや節目のお祝いも大切にすべきだと考えるようになりました。
もちろん投資は続けていますが、将来のためだけではなく、今しかできないこととのバランスを意識しています。以前なら「もったいない」と感じていた出費も、今では必要な投資だと思えるようになりました。
4.バリキャリ母の姿から学んだこと
もう一つ、私の考え方に大きな影響を与えたのが母です。
母は私が小さな頃からフルタイムで働き、最終的には管理職まで昇格。自分の生活を犠牲にし、時には休み返上で一生懸命働いてきました。責任ある立場で結果を出し続け、仕事に誇りを持っていました。
私はそんな母に強い憧れを持っていて、私も母のようなカッコいいキャリアウーマンになりたいと思っていました。
しかし、つい先日、母の様子がガラリと変わりました。
定年を迎え再雇用を選択したタイミングで社内トラブルに巻き込まれ、精神的に落ち込んでしまい、会社に行くことができなくなってしまいました。母がいなくても会社は回っていき、母が出してきた成果は過去のものになっていく。母はその現実に心底さみしそうにしていました。
その母の姿を見たとき、「社会で働くことはいつか終わりが来る」ということを強く感じました。自分がいなくても会社も、社会も回っていく。当たり前だけど受け入れ難い真実です。
仕事のために家族との時間を犠牲にし、最終的に健康を害した母を目の当たりにし、キャリアアップのために無理をし、時に子供との時間を犠牲にしていた私は「明日は我が身だ」と感じました。
仕事のために家族との時間や健康を失ってしまったら、それは私が望む人生ではありません。
仕事も、家族も、自分の時間も、私は全部大切にしたい、そう思うようになりました。
5.私が目指したい資産形成
以前の私は、「何を差し置いてでも、もっと資産を増やしたい !」という気持ちが強くありました。でも子供との毎日を過ごし、母の経験から学びを得る中で、資産を築くよりももっと大切なものに気づきました。
子どもと笑い合う時間。夫婦で旅行の計画を立てる時間。健康に過ごせる毎日。そして、自分の意思で働き方を選べる自由。お金を増やすことが人生ではなく、お金は人生を豊かにし、自由を手に入れるための道具であること。
だから我が家は、今も将来も両方手に入れたい。暮らしをシンプルにし、固定費を抑え、投資は仕組み化。自分の代わりとなってお金に働いてもらい、余剰を生み、自分たちの人生を楽しむ時間を増やしたい。
それが、今の私たちが目指している暮らしです。
6.おわりに
私はこれからも投資を続けますし、そのために働き、貯蓄率を維持して資産を増やしていきます。でも、将来の安心のために、今日の幸せまで我慢することはもうしたくありません。
投資を始めたばかりの、節約に命をかけていた私に一つだけ伝えられるなら、こう言います。
「将来のために頑張ることは素晴らしい。でも、今しかない幸せまで後回しにしなくていい。家族や友人、健康は何にも変えられない価値がある。そこには惜しまず使いなさい!」
資産7000万円になった今、私がたどり着いた答えです。お金は、人生を豊かにするための道具。だからこそ、お金に働いてもらいながら、自分自身は「今」という時間を大切に生きていきたいと思っています。

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